NBA ウェイブ・ウェイバー・バイアウト・ストレッチ条項・アムネスティ条項 ※CBA 2017時点の内容



ウェイブ・ウェイバー
チームが契約満了まで選手を保有できる権利を放棄して契約下の選手を放出すること。ウェイブされた選手は現行契約を引き継ぐ意思のある
チームから獲得オファーを受け付ける48時間のウェイバー状態となり、オファーがなくウェイバーをクリアした選手はFAとなる。ミニマムサラリー
エクセプションが適用される選手のケースを除き、ウェイバー獲得を行うには選手サラリー分のキャップスペース・トレードエクセプション・DPEが
必要となり、オファーが重複した場合には、11月30日までは昨季成績、12月1日以降は今季成績に基づく形で低勝率チームが選手を獲得する。



ウェイブされた選手に対する支払いは通常残りの保証契約分のみとなるが、チームでの活動によってケガをした全額保証ではない選手をウェイブする際には
今季終了までか再びプレーできるようになるまでのどちらか短い期間分のサラリーを保証することになり、プレイヤーオプション分に関しては、未行使の状態
でウェイブされた際にはサラリーが保証されない契約の場合に限って支払いがなくなる。3月2日以降にウェイブされた選手はプレイオフへの出場資格を失い、
トレードの後にウェイブされた選手については、トレード後1年かオプションイヤーを除く元々の契約期間終了後のどちらか早い方になるまでは再獲得できない。







ストレッチ条項
チームは、選手を7月1日~8月31日の間にウェイブした場合には残りの契約の保証サラリー総額を、9月1日~6月30日の間にウェイブした場合
には、来季以降の保証総額を「チームオプションを除く残りの契約年数 × 2 + 1」年に亘って分割で支払うことができる。変更された支払い額が
チームサラリー上に反映されるのは、来季以降のチームサラリーに計上される、ウェイブされた全ての選手に対して支払われるサラリーの年次
合計額がいずれもサラリーキャップの15%以内となる場合のみで、当該選手については元々の契約期間が終わるまでは再獲得が禁止される。









バイアウト
元々の保証サラリーより少ない額を支払うことで選手と合意したチームが、セットオフを放棄した上で選手をウェイブすること。バイアウトした選手については、
バイアウト後1年かオプションイヤーを除く元々の契約期間終了後のどちらか遅い方になるまでは、契約締結・ウェイバーで再び獲得することはできず、複数
年契約をバイアウトする際には、残りの未消化の保証サラリー総額における各年保証サラリーの割合に応じて、減額分がチームサラリーから差し引かれる。





セットオフ
ウェイブされた選手が旧契約の保証契約期間内に新契約を結んでミニマムサラリーを上回る支払いが確定となった場合、当該選手に対する前所属チーム
の支払い額は、「新契約サラリーとミニマムサラリー(ルーキーの場合は1年目選手の額、それ以外は2年目選手の額)との差額 × 0.5」の額だけ減少する。





・Luol Dengの事例 2018.9   ※18-19シーズンの保証サラリー$18mil ÷ 保証サラリー総額$36.81mil ≒ 48.9%

2018-19 (48.9%)2019-20 (51.1%)2020-212021-22総額
バイアウト前のサラリー$18mil$18.81mil

$36.81mil
バイアウト額- $3.65mil- $3.81mil

- $7.46mil
バイアウト後のサラリー$14.35mil$15mil

$29.35mil
ストレッチ後のサラリー$5mil$5mil$5mil









Career Ending Injury
ケガや病気を理由に医師から引退を勧告された選手(DPE未申請)をウェイブした場合、当該選手のサラリーは、今季の出場試合数が10試合以上の場合
は最終戦から1年後、10試合未満の場合は最終戦から60日後か、昨季最終戦から1年後のどちらか遅い方にチームサラリーから除外される。当該選手は
後に復帰できたとしてもウェイブされたチームに再び所属することはできず、除外されていたサラリーは1シーズン中に25試合出場したときに再計上される。





引退
選手が残りの契約を破棄して引退することを希望し、チームもこれに同意した場合、当該選手はVoluntarily Retired Listに登録され、
登録後1年間は、理事会で全30チームから同意を得られない限り、リーグに復帰することはできなくなる。









※アムネスティ条項
モラトリアム終了後から1週間以内にアムネスティ条項を行使した場合、チームは、行使と同時にウェイブされた、または、既にウェイブされている選手
1人の全サラリーを、2015-16シーズンまでの間に1度だけチームサラリー上から取り除くことができる。除外できるのは、基準日となる2011年6月30日
までに現行契約を締結し、基準日後も移籍せずに自チームに在籍し続けている選手のサラリーと、基準日までにウェイブされていた選手のサラリーで、
基準日後に締結・変更された契約は対象にならない。このときのウェイバーは、現行契約を引き継ぐ、または、入札で最高額を提示したチームが選手
を獲得する形となり、入札獲得の場合、放出チームの当該選手に対する支払い額は、獲得チームのチームサラリーに計上された額の分だけ減少する。



獲得チームのチームサラリーでは、旧契約の各年サラリー比率に応じる形で入札額が残りの保証契約期間に振り分けられ、チームオプションを含む残りの
無保証契約分とボーナスについては旧契約内容を引き継ぐことになる。最低入札額は残りの保証契約期間分の当該選手のミニマムサラリー総額か、部分
保証契約内の現時点で支払いが確定となっていないサラリーの総額のどちらか高い方で、入札に参加できるのは、振り分けられた1年目サラリー+Likely
Bonus分のキャップスペースを持つチームと、獲得決定直後にウェイブやキャップホールドの放棄を実行してキャップスペースを確保できるチームのみとなる。



仮に残りの契約が全額保証$5mil × 2年 + 無保証$5mil × 1年の選手が$4milの入札で獲得された場合、獲得チームのチーム
サラリーには$2mil × 2年 + $5mil × 1年が計上され、放出チームの支払い総額は$3mil × 2年に減額される。また、条項行使と
同時にウェイブした選手については、無保証契約・オプションイヤーを含む旧契約期間終了後までは再び獲得することはできない。