NBA ミニマムサラリー・マックス契約・保証契約・チームオプション・ボーナス ※CBA 2017時点の内容



昇給率・契約年数
通常の契約では契約期間は1~4年、昇給率は最大5%となり、選手サラリーはキャップスペースを利用する形で、ミニマムサラリー ~ マキシマム
サラリーの範囲で設定されるが、対象となるFA選手・所属選手と再契約・延長契約を締結する場合に限っては、契約期間5年、昇給率8%を設定
することができる。
ミニマム契約やルーキースケール契約等のケースを除いて、複数年契約締結時には「新契約1年目の基準サラリー × 昇給率」
の額が各年サラリー間で増減させることができる最大の額となり、通常はボーナス部分を含まないベースサラリーを基準に増減額が算出される。




・ベースサラリー$9mil、コンディション維持によるボーナス$1mil、Likely Bonus$1mil、昇給率8%の3年契約の場合


ベースサラリー (+α)Likely Bonus合計
1年目$10mil$1mil$11mil
2年目$10.8mil$1.08mil$11.88mil
3年目$11.6mil$1.16mil$12.76mil
年次上昇額+ $0.8mil+ $0.08mil


契約にボーナスが含まれる場合は、ベースサラリー、Likely Bonus、Unlikely Bonus、ベースサラリー+サインボーナス計上分がそれぞれ基準サラリー
として扱われ、Likely BonusとUnlikely Bonusを除いた全てのインセンティブボーナスがベースサラリーに加算された状態で増減額の計算が行われる。









ミニマムサラリー・ミニマムサラリーエクセプション
サラリーの下限については、当該シーズン時の選手のリーグ在籍年数に応じる形で1年目~11年目以上の選手まで規定額が設定されており、2年以下
のミニマムサラリー契約で選手と契約を結ぶ、または、当該契約選手をトレード・ウェイバーで獲得する場合、チームは、契約・獲得後のチームサラリーが
サラリーキャップを超過することが認められている。ミニマム契約ではトレードボーナス、Exhibit 10 bonus以外のボーナスを含むことはできず、リーグ在籍
4年目以上の選手と1年以下のミニマム契約を結ぶ場合に限っては、チームサラリーに計上される支払い額は在籍3年目選手と契約を交わす場合と同額
に変更され、差額はリーグ負担となる。また、レギュラーシーズン開幕後に契約を結んだ場合、ミニマムサラリー額は既に消化した日数に応じて減少する。









マキシマムサラリー・マックス契約・スーパーマックス契約
サラリーの上限については新契約1年目のサラリーに対して制限がかけられており、当該シーズン時の選手のリーグ在籍年数に応じて設定された規定額
(1~7年目の選手はサラリーキャップの25%、8~10年目の選手は30%、11年目以上の選手は35%)
か、昨季サラリー × 1.05のどちらか高い方が通常設定
できる最大額となるが、特定の条件下にある選手が、直近3季中にMVP受賞・NBA1st~3rdチームに2度選出・DPOYを2度受賞、または、昨季にNBA1st
~3rdチームに選出・DPOY受賞のいずれかの基準を満たしてチームと再契約・延長契約を結ぶ際には、規定額を上回るマックス額を設定することができる。



基準を満たすリーグ在籍5年目のFA選手・4年目シーズン終了時に基準を満たすことを想定しているルーキースケール選手の場合は、オプションイヤー
を除く4年以上の契約年数でチームと再契約・延長契約を結ぶ際にサラリーキャップの30%額を設定することが可能で、基準を満たすルーキーシーズン
からの同一チーム在籍歴が8,9年目となるシーズンを終えたFA選手は5年契約締結時に、同一チーム在籍7,8年目のシーズンを終えて残りの契約期間
が1,2年となっている有資格選手・今シーズン後の基準達成が想定される選手の場合は、残りの契約年数+契約延長年数の合計が6年となる延長契約
(最長+5年)を締結する際に、各チーム2人まで登録できるベテラン指定選手として、新契約1年目にサラリーキャップの35%額を設定することができる。



ベテラン指定選手の延長契約は、モラトリアム後 ~ レギュラーシーズン開幕前日までの間のみ行うことが可能で、チーム在籍歴に
関しては、ルーキーシーズンからの4年間はトレードで所属チームが変わっていても同一チームに在籍していたものとして扱われる。
また、スーパーマックスによる再契約・延長契約を結んだベテラン指定選手については、契約後1年間はトレードすることができない。









全額保証・部分保証・無保証契約
全額保証契約の場合は、契約時点で当該シーズン分のベースサラリー満額の支払いが確定となるが、部分保証契約・無保証契約の場合は、契約
締結時点でサラリーの一部が保証される部分保証契約のケースを除いて、設定された契約保証日までロスターに在籍したり、出場試合数等の設定
された基準をクリアしたりしない限りは、サラリーの一部・満額の支払いが保証されない。この際、2年目以降のサラリーの保証割合を前年サラリーの
保証割合よりも高く設定することはできず、保証内容や保証日については、選手とチームが合意すれば契約期間中に変更することも認められている。



部分保証・無保証契約では、レギュラーシーズンの消化具合に応じて「今季サラリー ÷ レギュラーシーズン全日数 × 消化日数」の額が自動的に保証され、
1月10日にはNBA契約選手の今季サラリーが、1月20日にはTwo-Way契約選手のGリーグ送致期間中の基準サラリー + NBAチーム帯同日数に応じた
額が全額保証になるため、選手サラリーを保証しない場合には、期日の3日前までに当該選手をウェイブし、ウェイバーをクリアさせておかなければならない。








チームオプション・プレイヤーオプション・Early Termination Option, ETO
チームオプションを行使された選手、プレイヤーオプションを行使した選手は+1年契約が延長され、契約の5年目に設定できるETOを行使して契約期間を
-1年とした選手は今夏にFAとなる。オプション行使により契約が延長されるオプションイヤーでは、サラリーを前年より低くすること、保証割合を変更する
ことはできず、ルーキースケール契約を除き、オプションを設定できるのは契約最終年のみとなる。また、オプションの行使期間は契約により異なるものの、
最終期限は6月29日となり、選手とチームが合意すれば、行使期間の変更や行使期間外にオプションを破棄して最長の契約期間を確定させることも可能。









インセンティブボーナス
パフォーマンスボーナス、指定体重・体脂肪率のキープ等のコンディション維持によるボーナス、大学の学位取得等による
ボーナス、プロモーション活動への参加によるボーナス、オフシーズン中のコンディショニングプログラム等への参加による
ボーナス(各年ベースサラリーの20%が上限)といった、設定された条件をクリアした場合に支払いが確定となるサラリー。






パフォーマンスボーナス
契約にパフォーマンスボーナスを含む選手は、個人成績、オールスター選出、アウォード受賞、チームの勝利数、プレイオフ進出等の設定された基準を達成
した場合にボーナスの支払いが確定となる。昨季の実績では基準を達成し、今季も達成が見込まれるものはLikely Bonus、そうでないものは、各年ベース
サラリーの15%に制限され、通常は選手サラリーとして計上されずに、契約等の必要時にのみサラリーの一部として扱われるUnlikely Bonusの分類となる。



Unlikely Bonusを含む契約を結ぶには当該ボーナスを含めた1年目サラリー分のキャップスペース・エクセプションが必要となり、この時には今季締結された
契約の中に含まれる全てのUnlikely Bonusが一時的にチームサラリーに計上される。シーズン後・トレード後には分類の見直しが行われ、昨季のプレー歴が
ない選手のケースや、ケガ等の影響で昨季の実績に基づく分類が不適当だと思われるケースでは、リーグと選手会による協議等によって分類が定められる。









サインボーナス
契約にサインボーナスを含む選手は、ベースサラリーにサインボーナスを加えた契約総額の15%(オファーシート時10%)を上限とするボーナス
が契約時に支払われる。当該ボーナスは契約が全額無保証の場合は1年目サラリーの中に、それ以外の場合は、各年サラリーの保証割合に
応じる形で現時点で保証されているシーズン(オプションイヤー・ETO以外)のサラリーの中に含まれるため、仮にベースサラリー$7.7mil × 3年、
サインボーナス$0.9mil、2年目50%保証、3年目無保証の3年$24mil契約の場合、チームサラリーには$8.3mil、$8mil、$7.7milが計上される。






トレードボーナス・トレードキッカー
契約にトレードボーナスを含む選手は、既に消化した日数分の今季サラリーと未行使のオプションイヤー分を除いた残りのベースサラリー総額の15%を上限と
するボーナスが、トレード時に放出チームから支払われる。トレードボーナスはサインボーナスと同じ扱いで選手サラリーの中に含まれるが、加算後のサラリー
がマキシマムサラリーを上回る場合には超過分が減額される。また、放出するチームはボーナス加算前のサラリー、獲得チームは加算後のサラリーを基準に
トレードを行うことになるが、選手とチームの合意があればボーナスの減額・排除も可能で、この場合当該選手は契約延長・契約の再交渉が6ヶ月禁止される。






海外チーム所属選手のバイアウト費用
現在NBA以外のチームの契約下にある選手と新たに契約を結ぶ場合、チームは、契約解除にかかるバイアウト費用が※$675,000の設定額(毎季$25,000
ずつ上昇)
以内であればチームサラリーに計上せずに、設定額を上回る場合には、超過した分をサインボーナスと同じ扱いで選手サラリーの中に含める形で
その費用を支払うことができる。仮にバイアウト費$3.1mil、設定額$0.7mil、$3mil × 3年全額保証の場合、チームサラリーには$3.8mil × 3年が計上される。