NBA トレード・トレードエクセプション・サイン&トレード・TPE ※CBA 2017時点の内容



トレード
トレードでは、契約下の選手、ドラフト指名権、$0.11mil以上の現金、ドラフト指名選手との交渉権、指名権を交換する権利のいずれかを放出することに
なり、3チーム以上が絡むトレードでは、現金の下限が$1.1mil以上に変更され、指名権を交換する権利、プロテクトにより譲渡が消滅する可能性のある
条件付き指名権以外の対象物のやりとりを最低2チームと行う必要がある。現金のみを放出して1巡目指名権を獲得することはできず、7月~6月30日
までの期間のトレードでチームが支払う・受け取ることができる現金の上限額は※$5.1mil(サラリーキャップの増減に合わせて変動)に設定されている。



トレードできる指名権は最新のドラフト+7年以内のものとなり、指名権をトレードする際には、指定順位の指名権を獲得した場合には譲渡が来年以降に
持ち越し、消滅、譲渡予定の指名権が2巡目や現金に変更となるよう、各年ごとにプロテクトを設定したり、譲渡・受け取りを1年遅らせるオプションを設定
したりすることができる。将来の1巡目指名権を2年連続で保有しない可能性がある場合には当該指名権を放出することはできず、既に条件付きの1巡目
指名権を出していたチームが新たに1巡目指名権を放出する際には、当該指名権が譲渡された年+2年後の指名権といった形でトレードを行うことになる。








Traded Player Exception, TPE
チームは、トレード後のチームサラリーがサラリーキャップ以内となる限りにおいて自由にトレードを行うことができるが、トレード放出選手のチームサラリー
上のサラリーを基準にした一定額以内の選手を獲得する、トレードエクセプションを使用して設定額以内の選手を獲得する、サラリーキャップ未満のチーム
が「キャップスペース+$0.1mil」の額以内の選手を獲得する場合であれば、サラリーキャップを超えている状態でもトレードで選手を獲得することができる。



放出選手サラリー獲得できる選手のサラリー
$0mil ~ $6.533…mil放出選手サラリー × 1.75 + $0.1mil以内
$6.533…mil ~ $19.6mil放出選手サラリー + $5mil以内
$19.6mil ~
タックスラインを超過
放出選手サラリー × 1.25 + $0.1mil以内




トレード後のチームサラリーがタックスライン以内となるチームが獲得できるのは、1.「放出選手サラリー × 1.25 + $0.1mil」と、2.「放出選手
サラリー × 1.75 + $0.1mil、または、放出選手サラリー+$5milのどちらか低い方(※境界点:$6.533…mil)」のどちらか高い方(※境界点:
$19.6mil)までの選手となり、タックスラインを超えるチームが獲得できるのは1.までの選手となる。トレードでは、「$5mil選手+$3mil選手 ⇔
$10mil選手」のような形で、複数選手の合計額を基準にサラリーの釣り合いを取る合算トレードを行うことが可能で、全額保証ではない選手を
トレードに含める場合、放出チームは選手の保証サラリー部分を基準に、獲得チームは無保証分も含んだ選手サラリーを基準にトレードを行う。









トレードエクセプション
キャップ超過チームが、獲得した代替選手のサラリーよりも放出選手単体のサラリーの方が高い、または、放出選手に対応する代替選手を獲得
しないトレードを行った場合、「放出選手サラリー - 獲得選手サラリー」の額となるトレードエクセプション(TE)が発生し、チームはトレード後1年
以内に「TE+$0.1mil」の額以内の単体・複数選手をトレード・ウェイバーで獲得することができる。「$10mil選手 ⇔ $5mil選手+$3mil選手」では
$2mil、「$4mil選手 ⇔ 指名権」では$4mil、「$9mil選手+$3mil選手 ⇔ $10mil選手」では、トレードの成立に関与しない$3mil選手が代替選手
なしで放出されたとみなされ、$3milのTEが発生する。合算トレードではTEは発生せず、選手+TEといった形の合算トレードは認められていない。




・OKC ⇔ CLE ⇔ NYKのトレード事例 2015.1


獲得選手獲得後のサラリー対応する代替選手・エクセプション
OKCWaiters$4.062milSefoloshaのTE = $4.15mil
CLESmith$6.515mil
5.982 + Bonus0.533
Waiters + Amundson + Kirk = $6.955mil
(4.062 + 0.915 + 0.507) × 1.25 + 0.1
Shumpert$2.616milVarejaoのDPE = $4.852mil
NYKAmundson$0.915milミニマムサラリーエクセプション
Thomas$0.915mil
Kirk$0.507mil

放出選手代替選手発生したTE
OKCThomas$0.915mil
CLEWaitersSmith
Amundson
Kirk
NYKSmith$5.982mil
Shumpert$2.616mil









状況別トレード解禁日

・新契約、ミニマムサラリー契約を締結した選手
・Two-Way契約から通常のNBA契約に移行した選手

12月15日か3ヶ月後のどちらか遅い方

・昨季サラリー × 1.2を上回る額で再契約したアーリーバード以上の選手
(契約後のチームサラリーがサラリーキャップ超過の場合)
1月15日か3ヶ月後のどちらか遅い方

・契約を締結したドラフト指名選手、Two-Way契約選手30日後
・ウェイバーで獲得した選手30日後  ※オフシーズンの場合キャンプ初日から30日
・エクセプションが適用される形のトレードで獲得した選手2ヶ月後  ※合算トレードで放出する場合のみ
・エクステンド&トレードの規定を上回る内容で契約を延長した選手6ヶ月後
・新契約、延長契約を締結したベテラン指定選手1年後




オールスターゲームの10日前となるトレードデッドライン(PM3:00 ET)後からチーム最終戦までの間はトレードが禁止され、最終戦翌日から6月30日までの
間は、契約最終年選手・オプションによりFAになる可能性がある選手を含まないトレードのみ行うことが可能で、この期間に来季契約が全額保証ではない
選手を放出するチームは、当該選手の今季サラリーか来季の保証サラリーのどちらか低い方を基準にトレードを行う。トレードで放出した選手は次の7月に
なるまではトレードで再獲得できず、トレード拒否権に関してはリーグ在籍9年目以上の選手が4季所属したチームと契約する際に契約に含むことができる。









サイン&トレード
放出チーム・獲得チーム・FA選手がトレードに合意した場合、放出チームは、自チームからFAとなった選手と昇給率5%以下、1年目は全額保証、契約
期間3年(オプションイヤーを除く)~4年の契約を、フルミドル・ミニミドル以外の形で締結後、選手を獲得チームへトレードする。リーグ在籍5年目選手の
1年目サラリーとして設定できるのはサラリーキャップの25%額までとなり、当該トレードで選手を獲得したチームは、今季中にチームサラリーがapronを
超えることができないハードキャップの状態となる。この際、オファーシートにサインしている制限付きFAとはサイン&トレード(S&T)を行うことはできない。



契約後のチームサラリーがサラリーキャップを超えるチームが、昨季サラリー × 1.2を上回る1年目サラリーで再契約したアーリーバード・フルバードの選手を
S&Tで放出する場合、獲得チームは新契約1年目サラリーを基準に、放出チームは、昨季サラリーか新契約1年目サラリー × 0.5のどちらか高い方を基準に
トレードを行うことになる。既にミニミドルを使用しているチームはS&Tで選手を獲得することはできず、レギュラーシーズン開幕後はS&Tを行うことはできない。



放出チーム:
再契約の可能性がないFA選手をトレードの駒にして代替選手や指名権等を獲得する。
獲得チーム:キャップスペースやMLEの設定額内では獲得できないような選手をトレードで獲得する。
FA選手:トレードの形を取ることで通常のFA移籍よりも高いサラリーで希望チームに移籍する。









選手の移動を伴うトレードが成立するまでの主な過程

1.トレード候補となっている選手の契約詳細、故障歴・病歴等の詳細な医療情報、保険情報を相手チームに開示。
レギュラーシーズン中のトレードの場合、当該選手のインセンティブボーナス・保険料の各チーム負担割合に関する合意を形成。

2.トレード内容確定後、各チームの代表とリーグオフィスの弁護士が、内容が全て録音される電話会議に出席。
トレードに際して各チーム間でやりとりされた情報や合意内容が読み上げられ、その場でトレードの最終確認が行われる。

3.GMはトレードの合意詳細に関する文書をメールでリーグオフィスに提出、その後、チームからトレード合意のリリース、及び記者会見。

4.トレードの知らせを受けた選手は72時間(オフシーズン中は1週間)以内に新チームに合流し、身体検査を受ける。(選手の状態を問わない場合は不要)
規定時間内にチームに合流しなかった選手はチーム・リーグから罰金・出場停止処分を受ける。

5.全ての選手が身体検査をパスし、リーグからトレード承認の通知が届いた時点でトレードは正式に完了、これ以降新チームでの活動が認められる。