ルーキースケール契約・ルーキーエクセプション ドラフト1巡目指名選手が締結する、全額保証2年+チームオプション2年の契約。ドラフトの指名順位に基づく形でサラリーの基準額が設定 されており、1~3年目サラリーは基準額の80~120%の額(通常120%)、4年目サラリーは「3年目サラリー × 一定割合」の額となる。ドラフト で1巡目指名した選手と必ず契約が交わせるよう、ルーキースケール契約を締結する場合には契約後のチームサラリーがサラリーキャップを 超えることが認められており、2,3年目シーズンの10月31日までに3,4年目分のチームオプションを行使されなかった選手は来夏にFAとなる。 ルーキー契約期間中の選手は、4年目シーズンのモラトリアム後 ~ レギュラーシーズン開幕前日までの間に、マキシマムサラリーを上限とする昇給率8%、 最長+4年の延長契約を結ぶことが可能で、この際、各チーム2人の指定選手とは、延長1年目サラリーをサラリーキャップの25~30%額とすることを条件に、 最長+5年の延長契約を結ぶことができる。また、指定選手のロスター登録上限は2人となるが、トレードで獲得した指定選手を2人登録することはできない。 ドラフト指名から3年が経過した未契約の1巡目指名選手は、ルーキースケール契約の他、1年目のベースサラリーがルーキースケール120%額を 上回る、契約期間3年(オプションイヤーを除く)~4年の通常契約を交わすことも可能で、3,4年目のチームオプションを行使されなかった1巡目指名 選手が前所属チームと再契約を結ぶケースでは、1年目サラリーは元々設定されていたルーキースケール3,4年目サラリーの額までに制限される。 Required Tender 未契約のドラフト指名選手との交渉継続を希望するチームは、1巡目指名選手に対しては7月15日までに80%額のルーキー契約を、2巡目選手に対しては 9月5日までに1年ミニマムの無保証契約を提示する必要があり、提示を受けず交渉権を放棄された選手はFAとなる。また、指名選手がNBA以外のチーム と契約を結んでいる、または、指名後にNBA以外のチームと契約を交わした場合、チームは当該契約終了後1年が経過するまでは交渉権を保有し続ける。 フリーエージェント・制限なしFA チームが交渉権を保有している未契約のドラフト指名選手を除いた、どのチームとも契約していない状態の選手。契約・移籍に 関する最終決定権を選手側が持つ制限なしFA(Unrestricted FA, UFA) と、移籍先チームとの契約合意後、前所属チームが 優先権を行使した場合には強制的に元の在籍チームに残留となる制限付きFA(Restricted FA, RFA)の2種類に分類される。 制限付きFA・オファーシート 今夏にFAとなる、ルーキースケール契約の4年目を終了した選手、リーグ在籍1~3年目のシーズンを終えた選手(ルーキー契約のチームオプションを 行使されなかった選手以外)、レギュラーシーズン中にNBAチームに15日以上帯同したTwo-Way選手は、6月29日までに1年契約のクオリファイング オファー(QO)を所属チームから提示されると制限付きFAとなる。RFAが他チームとの契約に合意した場合、チームは、両者が合意した内容が記載 されたオファーシートを受け取ってから48時間以内(モラトリアム期間中は7月8日まで)に優先権を行使してマッチすれば、ベースサラリー、契約年数、 保証内容、要件を満たす一部のLikely Bonus等のオファーシートの主要条件を反映させた契約内容で、当該選手をチームに残留させることができる。 オファーシートにマッチするには1年目サラリー分のキャップスペース・エクセプションが必要となり、残留させたRFAについては、選手の 合意なくトレードを行うこと、契約に合意していたチームにトレードすること、契約内容を変更することが1年間禁止される。オファーシート の契約期間はオプションイヤーを除いて最低2年以上となるが、通常のQOとは別に、5年マックス全額保証、オプション・ボーナスなしの マキシマムクオリファイングオファーが提示されていたルーキースケール選手に対しては、最低3年以上の契約を提示する必要がある。 マッチされた選手は2日以内に身体検査を受けることになり、問題が見つかった場合にはチームはマッチを撤回することができる。選手が検査を 受けなかった場合には契約を無効として当該選手を再びRFAとすることが可能で、この場合オファーシート提出チームは新契約締結・トレードで 当該選手を獲得することが1年間禁止される。7月13日までは選手の同意なくQOを取り下げて当該選手をUFAとすることができるが、チームが 期限を延長せずに10月2日にQOが失効したケース、契約期限の3月1日までにRFAが契約しなかったケースでは当該選手はRFAのままとなる。 クオリファイングオファー ルーキー契約選手に対するQOは「ルーキースケール4年目サラリー × 指名順位に基づいた一定割合」の額、1~3年目のシーズンを終えた選手 に対するQOは、昨季サラリー × 1.25かミニマムサラリー+$0.2milのどちらか高い方が全額保証された1年契約となり、その額は昨季に41試合 に出場、または2000分以上プレー、直近2季平均で41試合に出場、または2000分以上プレー、の基準を満たしているかどうかによって変動する。 Two-Way選手に対するQOは通常$50,000が保証された1年のTwo-Way契約となるが、同一チームとの2,3季分の契約を満了した選手、新たに Two-Way契約を結ぶことができない選手の場合、QOはGリーグ送致時の基準サラリーが保証された、ボーナスなしの1年ミニマムの契約となる。
アリーナス条項 リーグ在籍1,2年目のシーズンを終えた制限付きFAに対してオファーシートで提示できる1年目サラリーはフルミドルの額までに制限されるが、 ボーナスなしの全額保証契約で1,2年目サラリーをフルミドル満額とする場合には、3年目サラリーにマックス契約の3年目サラリー額、4年目 サラリーに「3年目サラリー ± 3年目サラリーが基準の昇給率4.5%額」を設定することが可能で、この契約を提示するには契約総額の平均額 分のキャップスペースが必要となる。この際、オファーシート提出チームがRFAを獲得した場合には平均額が、チームがRFAを残留させた場合 にはオファーシート記載額(計上後のチームサラリーがサラリーキャップ以下となる場合には平均額も選択可)がチームサラリーに計上される。 ・Jeremy Lin, Omer Asikの事例 2012.7
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